医療法人鉄蕉会 亀田総合病院
高度臨床専門職センター
診療看護師(NP)
所属:取材時のものです
高橋 翼 Tsubasa Takahashi
「診療看護師(NP)って結局何をするのだろう」。
診療看護師(NP)を目指すほとんどの看護師あるいは看護学生が抱える疑問であろうと考えます。
日本NP教育大学院協議会のホームページには診療看護師(NP)の役割や必要とされる能力が示されており、求められる能力についてはある程度把握できるかと思います。
一方で、どのような背景を持つ看護師が診療看護師(NP)になっているのかについてはそれを目指す看護師や看護学生にとって気になる情報にも関わらず、情報が不足している印象があります。
そこで、今回は私が診療看護師(NP)を目指したきっかけと臨床で意識していることを記していきたいと思います。
ICU患者への切れ目のないケアがしたい!
私は関東の900床近い病床を有する総合病院に就職し、診療看護師(NP)資格取得までIntensive Care Unit(ICU)で勤務しました。
当院ではICUの医師が院内急変システムであるRapid Response System(RRS)の対応するのですが、出動中はICU患者へのケア提供が手薄になってしまうことがあり、もどかしさを感じていました。
そのため、自分が診療看護師(NP)となることでRRSとICU患者へのケアいずれの質も落とさず管理したいと思ったのが診療看護師(NP)を目指した1番のきっかけになります。
また、看護師として働き始めてすぐに将来のキャリアアップについて考えており、当初は急性・重症患者看護専門看護師を目指していましたが、専門看護師として働く自分の姿が想像できず、進学を決断できずにいました。
そのようなタイミングでICUに実習に来ていた診療看護師(NP)実習生から授業の内容や実習中の話を聞き、興味をもちました。
医学についても学ぶことでより患者に効率よく最適なケアを提供できる可能性があることや横断的に患者に関わることができる点、そして、本邦では歴史が浅くまだまだ成長途中であることに惹かれ診療看護師(NP)の道を選択しました。
多職種協働することで最適なケアを実現
診療看護師(NP)の強みの一つとして看護学と医学の双方の知識を活かせることがあります。
ICUには医学的な問題以外にも多くの問題を抱えた患者が入院します。
そのような患者において、身体的な問題以外にも目を向けてケアを提供することが患者の満足度向上につながるのではないかと考えています。
診療看護師(NP)としてそういった患者に対して医師とともに疾病管理を行うだけではなく、受け持ち看護師や理学療法士あるいはそのほか多職種と情報共有を行い患者の全体像を把握するように心がけています。
多職種連携とは口で言うほど簡単ではなく、長く一緒に勤務をしていても患者のことを医師に尋ねられなかったり、反対に医師から他職種に伝えづらかったりすることが多くあります。
そのような状況を可能な限りなくせるように些細なことでも相談しやすいよう日頃からコミュニケーションとるようにしています。
また、ベッドサイドで受け持ち看護師と患者の体位管理や観察する上での注意点、人工呼吸器離脱に向けて収集すべき情報の共有など看護師教育も行っています。
診療看護師(NP)に興味ありませんか
最後に、「診療看護師(NP)になりたいが学力が足りない気がする」「モチベーションを維持できるかわからない、不安」といった相談をされることがあります。
しかし、私自信それほど高いモチベーションで診療看護師(NP)を目指したかと言われればそうではありませんし、看護師としても未熟な部分が多くあります。
そのため、診療看護師(NP)に興味があるのであれば何事もまずはやってみるのがいいと考えます。
プロフィール
髙橋 翼(たかはし つばさ)
2014年 看護師、保健師免許取得
亀田総合病院 CCU配属
2015年 亀田総合病院ICU/CCU 異動
2019年 国際医療福祉大学大学院 特定行為看護師養成分野 進学
2021年 看護学修士
日本NP教育大学院協議会認定 診療看護師(NP)
特定行為21区分38行為修了
特定行為研修指導者コース修了