理事長 福永ヒトミ
「明るく」「元気」に「根気」よく頑張ってまいります
医療人材の慢性的な不足、地域間の医療格差などがますます深刻化する中、すべての人々に公平・公正な医療を提供できる体制・仕組みが強く求められています。診療看護師(NP)は、医師や他の医療者と連携・協働しながら、患者さんに必要な医療をタイムリーに届けることができる看護専門職として、日本が抱える医療の課題の解決に貢献できることを目指して養成され、活動を続けております。
日本NP学会は、診療看護師(NP)を中心に構成された学術集団で、社会の医療ニーズに的確に対応できる診療看護師(NP)としての質向上を目指した活動を行っております。 診療看護師(NP)は、大学院修士課程において臨床実習15単位を含む55単位以上の専門性の高い教育を修了し、日本NP教育大学院協議会の実施する資格認定試験に合格した看護師です。現在、984名(2025年4月時点)の診療看護師(NP)が全国各地の病院・診療所・訪問看護・介護施設など、さまざまな現場で活躍しています。近年では、医療機器を搭載した移動型医療MaaS(移動回診車)に診療看護師(NP)が乗車し、地域のみなさまに出前の診療を提供する新しい地域医療モデルにも参画し、在宅医療や限界集落における医療の担い手としての役割を果たしております。しかしながら、診療看護師(NP)は、誕生して15年以上経った今も、国家資格としては認められておりません。診療看護師(NP)の活動実績を根気よく積み重ね、患者さんをはじめ国民の皆さまに活動実績をご理解、認識していただくことが不可欠だと思っております。そのために、本学会は診療看護師(NP)の活動に伴うアウトカム等をエビデンスとして「つくり」、社会に「伝える」努力を続け、国家資格が実現できるよう、盤石な学術的・政策的な基盤を築いてまいります。 現在、日本看護協会、日本看護系大学院協議会、日本NP教育大学院協議会、そして本学会も連携し、「ナース・プラクティショナー(仮称)」の国家資格化を目指した検討が進められております。検討会には、現場で活躍している診療看護師(NP)も参加し、自らの経験を積極的に発信しています。
本学会は、2024年11月に、学会機能の刷新・強化を図るために、理事会の体制を再構築し教育委員会、将来構想委員会、広報・渉外委員会の活動を拡大・強化しました。今後は、若手診療看護師(NP)の育成支援や国際学会との交流も積極的に進め、グローバルな視点を持った診療看護師(NP)の育成にも取り組んでまいります。 安心と質の高い医療を地域社会に届けられるよう、学会員が一丸となって弛まぬ努力を続けてまいります。皆さまのご理解とご協力を賜りますよう、心よりお願い申し上げます。
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