日本NP学会誌 Vol.2 No.2(2018年11月)

論文タイトル 愛知医科大学病院における診療看護師(NP)活動の実際と今後の課題Clinical Practice of Nurse Practitioners in Aichi Medical University Hospital黒澤昌洋・森一直・高林拓也・牧野悟士 PDF

Ⅰ.緒言
わが国の「診療看護師(NP)」(以下,診療看護師と
する)の養成教育は,2008年に大分県立看護科学大学
大学院修士課程において開始され,2018年現在,日本
NP教育大学院協議会のもと愛知医科大学大学院看護学
研究科を含む8大学院にて養成が行われている.診療看
護師の活動場所は,一般病院の病棟から外来,訪問看護
ステーション,福祉施設,診療所まで多岐にわたり1),
約360名あまりの診療看護師が全国で活動している.
愛知医科大学病院では,2015年から診療看護師の活
動を開始し,現在4名の診療看護師が,主に周術期領域
で活動を行っている.診療看護師は,主に麻酔科では術
中の麻酔管理を,周術期集中治療部では集中治療管理に
携わっている.活動開始から3年を経過し,診療看護師
活動の実際と今後の課題について報告する.

論文タイトル 診療看護師の介入は入院高齢患者の再入院率を減少させる:後方起点型コホート研究Nurse practitioner reduces readmission rates for elderly patients on admission-retrospective cohort study本田香・太田龍一 PDF

【緒言】
本邦では,医療の質評価指標である再入院率に関する調査は少なく,看護師介入による再入院率への効果は明
らかでない.本研究では,後方視的に診療看護師介入症例と非介入症例を比較することで,診療看護師の介入が
入院高齢患者の再入院率に与える効果を明らかにし,実践内容の有効性を検証する.
【方法】
2016年4月~2017年12月末までの,総合診療科領域の輪番制入院となった65歳以上の患者706名について,
後方起点型コホート調査を実施し,診療看護師の介入有無による違いを評価した.主要評価項目は再入院率とし,
副次的評価項目は,在院日数,院内死亡率とした.
【結果】
対象者の平均年齢は85.6±7.2歳で,男性276例,女性430例だった.退院時病名は肺炎や腎盂腎炎等が多
かった.対象者属性は,予後予測スコアであるCharlson Comorbidity Index以外の項目については,診療看護
師介入例と非介入例との間で有意差は認めなかった.6週以内再入院率は,診療看護師介入例の方が有意に低
かった(p=0.041).1週間以内再入院率,30日以内再入院率,在院日数,院内死亡率は,有意差を認めなかっ
た.
【結論】
診療看護師の介入は,入院高齢患者の6週以内再入院率を低下させる可能性がある.診療支援,症状マネジメ
ント,移行期ケア,チーム支援等,診療看護師独自のコンピテンシーを活かした高度看護実践が有用と思われた.
Key Words: 再入院率,高齢者,診療看護師,包括的健康アセスメント,移行期ケア